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映画「この世界の片隅に」を見てきました。ネタバレ感想

既に上映中の映画「この世界の片隅に」。上映が始まってからずっと見たかった映画をやっと見れました。

大雪やら体調不良なんかで全く見に行けず…。もう呪われてるのか、というくらいタイミングが合わなかった。

やっとこさ見ることのできた念願の「この世界の片隅に」は、とてもいい映画でした。

感想ですがネタバレもしているので、原作未読の方、映画をまだ観ていない方はご注意ください。

映画「この世界の片隅に」は素晴らしい映画だった

福知山シネマにて

京都の北部にある小さな映画館「福知山シネマ」。大型の映画館が主流の今、がんばっている町の映画館です。

そんな映画館に人がたくさん集まったのは2月4日のこと。

その日は「この世界の片隅に」が福知山シネマで上映が始まる日。そして原作者であるこうの史代先生と映画監督の片渕 須直氏によるトークショーが行われた日でした。

もうこれに行きたくて行きたくて。もともとこうの史代作品のファンで「この世界~」以外の作品も購入しています。

先生のトークショー超聞きたい!!これは朝早くから行くしか!と思いましたが、子供を置いてはいけず断念…。

ツイッターによると、トークショーのチケットを買うために、前日の夜の8時から並んでいた人がいたらしい…。(チケットの発売は朝の8時半だったかな)

これは見に行ってても見れませんわ…チケット買えませんでしたわ…。話題の映画とは知っていましたが、この映画の持つ影響力のすごさを思い知りました。

前置きが長くなりましたが、この福知山シネマに今回見に行きました。

平日の昼間に見たというのに、そこそこ席が埋まっててビックリ。観客のリアクションを見ると「原作読んでますね」という感じの方が多くてなんか嬉しかったな。

現在福知山シネマでは「この世界の片隅に」のパネル展やってます。(2017年3月1日まで)

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あと入場記念にハガキも頂きました。

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帰りは作品コメントカードに感想を書いて帰りました。

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今思えばこのカード持って帰ればよかったな…すずさん…。

ネタバレ感想

この映画を見ると感情とか脳をいろいろ揺さぶられて頭がボーっとします。

すずさん達に命を吹き込み、そして漫画の背景にいる人々を、呉の街の空気をいきいきと私達読者にも感じさせてくれる素晴らしい映画でした。

原作漫画は言うまでもなく素晴らしい漫画です。

この映画は原作漫画の映画化作品、ではなくひとつの作品「映画 この世界の片隅に」として評価したい。もし今わがままを言えるなら、原作を、ストーリーの流れも何も知らないまっさらな状態でこの映画を見たかった…。

漫画を読まずにこの映画を見れた人がうらやましい、と思いました。

映像、音楽、そして声の出演と全てが素晴らしく、圧倒されました。コトリンゴの「悲しくてやりきれない」はのんきなようでこんなに哀しく聞こえる歌があるだろうか、と聞き入りました。

「とんとんからりんと隣組」の歌も聞くことができて良かった。

声もどのキャラクターも違和感がなく文句なしでした。特にすずさんの声をあてたのんがとてもよかった。

個人的に芸能人がアニメや映画の吹き替えをすることはあまり好きではありません。その声があっていればいいけど、話題性優先のためそれが重視されないこともあり見ていてがっかりすることも多いです。

なのですずさんの声をのんがやると耳にして、最初はえっ?と思いましたが懸念でした。もう一回言うけど超懸念でした。

のんのすずさんは素晴らしかった…!!!

玉音放送のあとのあのシーン。原作でも強く印象に残るシーンですが、作画ももちろんのこと、のんのすずさんの声がすごかった。

振り絞るように吐き出される声の迫力の凄さと言ったら。

主人公であるすずさんは天然というかちょっとおとぼけなところのあるキャラクター。のんのあのゆったりした話し方がキャラクターによく合ってて、すずさんの愛らしさが倍増していました。

のんの演じるすずさんがかわいくてかわいくて…。

しかしそれまでのゆったりのんびりした話し方があったからこそ、最後のあのシーンのすずさんは本当に圧倒された。

あまちゃんを見てた時も、「天野アキ」そのものだなぁ、と感じていましたが、この映画でも「すずさん」そのものでした。演技してるというかなりきっている、という感じ。

こんな素晴らしい女優さんなのに…芸能界は本当に恐ろしい

晴美ちゃん役の声優さんも子供らしくかわいかった。

かわいらしい分、もう…最後が…。なまじ原作を知ってるだけに晴美ちゃんが登場してから彼女の愛おしさがつらかった。

原作を読んだのは子どもが産まれるずっと前でした。子供がいる今、この作品に触れるとまた感じ方が異なります。

以前はすずさんも大けがを負ってるのに…と径子さんの怒りには非難さえ感じていましたが、子供がいる今見ると(読むと)、頭ではわかっててもすずさんを責めてしまうよなぁ…と思うようになりました。

当時はすずさんに感情移入して読んでましたが、今では径子さんにも感情移入してしまう。鑑賞中、はるみちゃんのことはすごくきつかった。

原作では重要なポジションだったリンさんは出番ががっつり削られていましたね。

これは残念といえば残念だけど、映画としての完成度は上がっていたし、分かりやすいものになってたと思う。

こう考えると、漫画と映画は全く別物なんだなぁ…。

リンさんは原作漫画の表紙にも登場しているし、すずさん夫婦にもかなり大きな影響を与える人物なので、あそこをバッサリ切るとは監督は勇気いっただろうなー。


↑右の女性がリンさん

リンさんについての描写が無くなったことで、周作さんについて描かれる部分も減りましたし。

それともリンさんについて知りたいなら原作を読んでね、ということでしょうか。しかしリンさんの存在が消されたわけではなく、原作を読んでいるとリンさんを匂わす小道具がいろんなシーンに映画にはありました。

また映画のエンディングが終わった後、無くなったすずさんの右手が「あるお話」を描いてくれます。その中には周作さんのノートがなぜ切られているのか、その切れ端は誰が持っているのかも描かれていました。

このエンディングの後のお話は原作を読んでいる方には何を意味しているのか、すぐに分かったでしょう。こういう演出にくいな。

さて、エンディングでは原作では描かれていなかったその後が少し描かれていました。

女の子が北條家の一員として暮らしている場面が描かれています。

一番最後に用意されたのは呉の街を見下ろす、すずさん達の後ろ姿でした。

色々あったけど、彼女たちの後ろ姿を見て素直に良かった、と思いました。多分後にはすみちゃんにも悲しい結末が待っていて、すずさん達には「幸せ」とは言えないかもしれない。

それでも前を向いて生きている、そう感じられる絵でした。周作さんの髪が伸びていたように見えたのは戦争も終わって軍属じゃなくなったからかな。芸が細かい。

原作を読んでいると、あの女の子はその後どうなったのか、すずさん達はどうなったのかがすごく気になっていたのですが、その後を少しだけ監督が私達にプレゼントしてくれた、そんな気がします。

ラストシーンが後ろ姿で占められる作品は、主人公が死ぬものが多いなんて話を聞いたことがありますが、ここまで力強さを感じる後ろ姿があるだろうか。

今感想を書いてて思いましたが、本編からエンディングまで本当に余韻が残る隙のない映画だわ…。

DVDが出たら買おう。パンフレットは買いました。

映画を見て映画館を出るとき、他のお客さんが映画スタッフの人に「いい映画をありがとう!」と言って帰られたのを見ました。

その人の言うとおり、本当にいい映画でした。良い映画をありがとうございました。

映画を見て漫画を読まないのはもったいない。ぜひ原作も読んでほしい。

この世界の~も好きだけど、こうの作品で一番お気に入りなのは「さんさん録」だったりする



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