honsikansou

tankoubon

透明なゆりかご5巻ネタバレ感想 5巻が早くも発売してました 

「透明なゆりかご」のネット広告をとてもよく目にします。そしてそのすべてが激しく気になる内容。

電子書籍だと紙書籍よりもちょっとだけお得なのもあり、ネット広告でこの作品をみかけてたまらず1巻を購入して読んだのはかなり前の話。それから新刊が出るたびに買い続けています。

現在1巻キャンペーン中 5/25まで無期限レンタル 200円(税抜)です。

ネット広告に連載中の話の一コマがでる→どんな話なのか激しく気になる→その話が収録された単行本が発売になる→即購入

「透明なゆりかご」はいつもそんな流れで買ってしまう…。売る側もそれが良くわかってるようで、けっこうなスピードで新刊出してますが見事に踊らされています。

先日5巻が発売になったことを知り、さっそく購入しました。

ネタバレもしているので未読の方はご注意ください。

透明なゆりかご 5巻ネタバレ感想

「透明なゆりかご」とは

作者の体験した実話、というのがこの作品の売り。作者の沖田さんは高校生の時に、実際に産婦人科でアルバイトをしており、その体験がもとになってこの作品を描かれたそうで…。

産婦人科を舞台にした漫画というと、出産の喜び、生命誕生の奇跡…などどちらかというと感動をメインにした作品が多いのではないでしょうか。

しかし「透明なゆりかご」は中絶手術や妊婦の死など事実というには重い、つらすぎる内容で目を引くこともあり、かなり話題になりました。

第一話なんて話のメインは人工中絶ですからね。漫画に登場する産科の先生いわく、

90年代の日本の三大死亡原因の本当の第一位は人工妊娠中絶

らしい。

「透明なゆりかご」5巻感想

人の関心を強く惹く内容を扱っている作品なだけに、5巻まで巻が進むとマンネリが心配でした。

また主人公が患者の生活に深く関わり過ぎていて、ノンフィクションではないだろうなぁ…と感じる時もよくあります。同じ産婦人科でこんなにバラエティーに富んだ事件が起きるもんだろうか~みたいな下種な勘繰り。

しかし漫画として面白いものは面白い。著者の他の漫画「蜃気楼家族」を読んでたら、作者の人生のあまりの波乱万丈っぷりに、本当にこういうの体験してそうだな…と思うのもあります。

マンネリ大丈夫かな~と心配していた5巻ですが、相変わらず内容も濃くて安心。

ネット広告になった3人同時に妊娠した高校生など印象に残る話もありましたが、5巻で一番印象に強く残ったのは「中絶の家」でした。

透明なゆりかご 5巻 「中絶の家」

来月パーティーがあるからそれに重ならないように堕ろしたい

などとのたまう若い女性、晴美ちゃん。中絶の回数も今回でなんと4回目らしい。人工中絶をとても軽く考えている晴美にドン引きの主人公。

晴美が手術の世話になるのは、中絶専門として有名なある「病院」でした。産婦人科の仕事に携わる者としてその病院に興味がわいた主人公は、晴美の手術につきそうことにします。

その「病院」は中絶専門で、料金も格安。それに同意書もいらないことから、晴美のような女性の駆け込み寺になってるらしい。

中絶=同意書というイメージがありますが、法的には無くても問題がない、というのは知りませんでした。(しかし多くの病院では同意書を交わしたうえで手術する方針をとっているそう)

その病院は老夫婦が営んでいる病院でした。病院というよりもふつうの民家で看板も待合室もベッドもない。手術が終わった晴美は、居間の布団で寝かされました。

料金も安い、こんな病院があるから罪悪感もなく中絶を選ぶ女性が増えるんじゃ、とこの病院の存在を非難する主人公。

しかし「料金を上げても中絶する人は減らない」「世の中には非難されても必要なものがたくさんある」と先生は穏やかに返します。

手術も終わり、帰り道のバスの中、いつも通り毒舌をかます晴美。

「なんでわざわざ産めない人のところにくるのかなー殺されるだけなのに」

それを聞き怒る主人公ですが、彼女なりに罪悪感を感じてるからこそ悪態をつくのかもしれない、と晴美の姿を見て思います。

その後、その病院についての噂を耳にする主人公。

産婦人科に、夜中に突然一人の女子高生が訪れた。彼女は妊娠しており、医者に「堕ろしてくれ」と言う。先生は当然その話を断る。親とよく相談して決めなさいと彼女を説得して。

しかしその女子高生は親にも打ち明けることはできず、結局自分で堕ろそうと電車に飛び込んでしまった。

その女子高生の死がきっかけになり2人は病院を畳んだが、その後中絶専門の病院を作った。

かなり昔のお話のようです。

この漫画がきっかけで人工中絶についていろいろ調べてたら気分が落ち込んできました…。

世間的にもあまりいいイメージがない人工中絶。日本では合法ですが、身体的理由や妊娠の理由(強姦など)による例外も一切認めない、中絶を行った女性が実刑をくらう国もあります。(妊娠は女一人じゃできないのにな)

ただ人工中絶が悪だ!殺人だ!とこの漫画を読むと一概に言えないのではないでしょうか。

子どもがいると、中絶なんて…と、感情が先にきてしまうこともありますが、既婚者の3人目中絶率の割合も高いという話も耳にするので、人工中絶=若い女性が行うものというものでもない。

妊娠する可能性があるうちは独身でも既婚者でも全く無関係な話ではないのでは、とも思います。

晴美は厳しい母親に育てられていました。家から閉め出された結果、通りすがりの男の車に乗り乱暴され、その後妊娠が発覚。

妊娠を知った晴美母ですが、晴美の体を心配を一切することなく、周りにばれないよう県外の病院に連れて行き晴美を中絶させました。

自分のことを思い厳しくしていたのではない、と絶望した晴美は、その後「一瞬だけでも自分を必要としてくれる」ことを望み、同じことを繰り返し、何度も妊娠しました。

晴美は自業自得なんだろうか。遊びまわって、その挙句妊娠してしまって。

老夫婦が行っていることは非難される行為かもしれない。中絶は結局胎児の命を奪ってるわけだし。

でも晴美のような人間がどうすることもできない時、最後に駆け込める場所で待っててくれる老夫婦を無関係の人が非難することができるのかな、と思いました。

安全なところから命を大事に、身体を大切に、なんて言うのは簡単なことだけど、老夫婦は体を張って晴美のような女性を助けていたわけですし。

透明なゆりかご5巻には ネット広告にもよく出ていた、女子高生3人が同時妊娠?!な「妊娠騒動」(タイトルでネタバレしとるがな)、不器用すぎるお母さんについて描いた「母の祈り」も収録されています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする