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ゴールデンカムイ 103話 ネタバレ感想 尾形百之助の過去

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

2017年初のゴールデンカムイ 103話感想です。2週間長かったですねー…。

今月も金カムイベントが東京であるようですね。

先生のインタビューを読んでいると、マタギやアイヌについて知りたくなるので、ぜひ行ってみたいのですが東京は難しいなぁ…。

KITTE地下1階東京シティアイパフォーマンスゾーンの文化展では初日にアイヌ語監修・中川裕先生のトークイベントがあるそうです。

ゴールデンカムイ103話 ネタバレ感想

2017年初のゴールデンカムイは、いきなりヘビーでした。

103話のタイトルは「あんこう鍋」。単行本の勢力図にも載っていた尾形の好物であるあんこう鍋ですね。

色々謎の多い人物である尾形百之助ですが、今回の話では彼の過去が描かれていました。

さて、表紙は久々の扉絵動物シリーズ。山にいたネズミ(ナキウサギ)です。

案の定次のページで殺されるネズミ…。断末魔の「ピッ!!」がかなしい。

焼いたネズミの足をアシリパから差し出される尾形。無言で食べているので、アシリパさんから「ヒンナは?」されていました。

いつになったらヒンナするんだ、好物だとヒンナできるか?とアシリパさんに言われ、「あんこう鍋」が頭に浮かぶ尾形。

ところかわって、小樽の鶴見中尉達。

旭川で飛行船に尾形が乗っていたことを鯉登から知る鶴見中尉ですが、相変わらず月島軍曹の通訳付きで会話しています。

鯉登少尉の父と、尾形の父である花沢中将は同じ薩摩生まれの親友同士だったそう。

花沢の息子でもある尾形の裏切りは、花沢中将の自刃に泥を塗る行為だ、と月島を通して話す鯉登。

飛行船の尾形が乗っているのを見たとき、鯉登少尉は激昂していました。

鶴見中尉を裏切ったことに腹を立ててるものだとばかり思っていましたが、同時に花沢中将の自刃に泥を塗るなんて!という理由もあったのですね。

花沢中将の自刃は、日露戦争二〇三高地の甚大な被害の責任を取らされたことが原因だと目を細めて話す鶴見中尉。尾形も中将の名誉の為に第七師団のために戦ってくれると思っていたのだが…と続けます。




ここから尾形の回想。

火鉢の前に座り昔話を語り始めた尾形。

内容は彼の父と母について。

尾形が誕生したころ、花沢は当時近衛歩兵の中佐でした。近衛は天皇に直結する軍なので、世間体を考えると浅草の芸者と、その間に産まれた子供は疎ましく感じていたでしょう、と言う尾形。

本妻との間に男児が産まれると、尾形の母のところには全く顔をみせなくなっていました。

祖母は尾形の母と赤ん坊だった尾形を実家のある茨城に連れ戻したそうです。

そこで尾形の母はよく「あんこう鍋」を作っていました。花沢がかつて美味しい、と言ったあんこう鍋を毎日毎日作っていたそうです。

そこで幼い尾形は、祖父の銃を持ち出し鳥を撃つようになりました。鳥があれば母はあんこう鍋を作らなくなるかも、という思いを込めて。

しかしいくら鳥を獲ってきても、母はあんこう鍋を作ることをやめてくれませんでした。

そして尾形は殺鼠剤をあんこう鍋に入れて母に食べさせました

葬式になれば父は来てくれるだろう、と。母は最後に愛した人に会えるだろう、と。

しかし父が来ることはありませんでした。

ここで尾形の話相手が花沢中将だと明かされます。しかしその姿は身動きが取れないように縛られている状態で、腹からは大量の血が流れていました。

関係ないですが眉と目が尾形にそっくり。

花沢はそんな状態ですが、「私と同じようにおまえの母がおかしくなったから疎ましくなったんだろう」と尾形に返します。

尾形は「あなたに愛情があれば母を見捨てなかった。愛情のない親から恨まれた子供は何かが欠けた人間に育つのでしょうか」と父に問います。

事実、互いに愛し合い本妻との間に生まれた息子である花沢少尉は高潔な人物だった、と尾形は語ります。

きついなー…腹違いの弟は少尉だったよう。士官学校を出て「花沢の息子」として華々しく軍人の道を歩まされてきた、と分かります。

しかし尾形は違う。一等卒から始まったのでしょう。今は上等兵ですが、士官学校出の少尉とは立場が全く異なる。

同じ軍に所属していて同じ父を持つのにこの差…。幼少時に歪んだ尾形が、さらに歪むのもわかる気がする。

そしてその花沢少尉は203高地で戦死していました。

彼がどうやって亡くなったかご存知ですか?と父の腹を裂いたであろう白鞘の短刀を手に持ち尾形は花沢を見下ろしていますが、その表情は影っていてよく見えず。

俺が後頭部を撃ち抜きました

と告白する尾形。

それを聞き 冷血で出来損ないの倅じゃ とつぶやく花沢中将。

花沢が自刃したように工作し、屋敷を後にする尾形。彼が向かったのは外に待つ馬車でした。

中にいたのは鶴見中尉でした。

鶴見曰く

中央(政府、陸軍省、海軍省の総称)は責任を第七師団にかぶせるだろう、外敵を作った第七師団はこれによりさらに結束が強くなる。

第七師団は花沢中将の血をひく百之助を担ぎ上げる 失った軍神を尾形の中にみるだろう、と尾形に話します。

鶴見中尉はよくやった、と尾形をねぎらいますが、尾形は「たらしめが…」と腹の底で思いながら笑っていました。

再び鶴見サイドに話が戻ります。

刺青人皮の持ち主の一人である稲妻強盗が動き出したことを新聞で知った鶴見中尉。刺青人皮をエサにすれば罠にかかるかもしれませんね、と月島が言うと「私の刺青人皮を使ってください」と月島を通じて意見するコイト。

しかし鶴見は本物の刺青人皮がもし奪われたらどうするんだ、そういうところだぞ!とコイトを叱ります。

「きえぇぇぇぇッ(猿叫)」と叫び畳をばりばりするコイト。

鶴見中尉と同じ畳になんて座れないッ畳を掘って頭を下げたいッとモノローグするコイトに「お茶をぶっかけろ月島」という鶴見中尉。

鶴見中尉のセリフといい、コイトを冷たい目で見下ろす月島軍曹といい、最高にシュールなコマです。

最後に小樽の街を見下ろす北のボニー&クライド稲妻強盗と蝮のお銀で今回の金カムは終了です。

新年(もう遅いか)さっそくシリアスでもコメディでも濃い回がブッこまれましたよ。

尾形の過去が重すぎる…。サイコパスだよなぁと今までの彼の挙動を見ていると感じてましたが、母に父を会わせてあげたいから母を殺すってサイコパスの行動そのものじゃないか…。

しかし不憫な生い立ちでもあるから、歪んで育つのも仕方がないのかもしれない。

もし母が気を病まずにいたら、ここまで尾形は歪まなかったのかもしれません。鳥を獲ってきたのは、あんこう鍋が食べたくないからじゃない、自分のことを見てほしかったのあると思います。

でも結局母は尾形のことなんて見ていなかった。もう来ない父のことしか考えていなかった。

そのことも幼少時の尾形にはつらい現実のひとつだったんでしょうね。

…書いててつらくなってきた…。

以前尾形は「親殺しは巣立ちの通過儀礼だ」と言っていましたが、結局こういうことだったのか。自分を見てくれなかった父と母を彼が手にかけた。

花沢は自刃していたので親殺しできてないんじゃ、と思ってたんですが、鶴見中尉の策もあり尾形が手を下していたのですね。

ヘビーな過去が明かされた尾形。しかしそれ以上に鶴見中尉が怖いと感じた回でもありました。求心力もあり有能な軍人であろう鶴見中尉。

どこまでが彼が正気なのか読んでいてわからなくなります。花沢中将を暗殺しながら、鯉登少尉など部下の前では花沢中将の自刃を憂う、という裏表が激しすぎる。

わかってやっているというより、本気でそう思い込んでそうで怖いな。2重人格的な。

鶴見中尉の激しい裏表を知っている尾形は、そりゃコイト少尉のように鶴見に心服することはできないだろうな。というか人間不信になるよな…上司がそんなのだと。